天真館の創立はいまから130年以上も前、1889年のこと。以来、柔道の指針として掲げられる「自他共栄」の体現を目標のひとつに、長い歴史を、その時代、その時代の子どもたちとともに歩んできました。
現在の館長である中野先生も天真館の出身で、先人から継いだ技と志を、元気いっぱいの子どもたちに伝えています。
「柔道を楽しんでもらいたい、やってみたいと思ってほしい、そういう気持ちで指導しています。特に小学生のあいだは結果にこだわることなく、試合で負けたとしても、その経験を正しいものにしてあげたいと思っています」と中野先生は言います。勝つための強化よりも、気持ちを前に向けるための教育が、子どもたちの心を育むのです。
道場に入るときは頭を深く下げ、挨拶の声は元気よく。練習では年長者が幼い子に指導し、教わる側は「ありがとうございます」と感謝を口にする。動作や言葉のひとつひとつに、ともに柔道を楽しむよろこびが表れます。「感謝無限大」というチームのモットーが子どもたちの心に刻まれている証でしょう。笑顔で互いを高めながら、天真館のメンバーはこれからも、輝く歴史を紡いでいきます。