瀬高南道場の旗には「剣は心なり」を意味する「剣心」という言葉が記されています。「鍛錬はきつく、つらい時間でもありますが、そうした過程を経験することで己の心に磨きをかけていく。己のためにあるのが剣道です」と、卒部生でもある中島監督はおっしゃいます。
稽古では基本を大切に、竹刀の一振りごとに気持ちを込め、頭のてっぺんからつま先まで精神を集中するよう指導します。また、稽古の場に限らず礼儀・挨拶を大切にし、仲間同士でも敬い合う関係が築かれています。
剣道はどうしても痛みを伴います。大事なのは、自分の痛みだけでなく打たれた相手の痛みについても考えられる子になること。相手を思う気持ちが礼儀の基本となるのです。
創設から60年の節目を迎えるなか、今年はコロナの影響で活動もままならない状況が続きました。しかし、瀬高南道場では「その日のMVP」を設けて褒めるなど、子どもたちのやる気を保つ取り組みも行っています。
フェイスガードとマスクを着けた上から面をかぶり、稽古に臨む。決して楽なことではありませんが、子どもたちは前向きに、それぞれの道を極めようとがんばっています。