卓球台をはさんで向かい合う子どもたちは、その場からほとんど動くことなく、器用に手足を動かしては来た球を打ち返します。正確なリズムをふたりで刻むようにラリーを続け、途中で打ちそこねた球を拾うことはしません。1秒の空白さえ惜しむように、新しい球でラリーを再開します。
チームの創設から12年目を迎える豊前JTCは、10年連続県大会に出場するなど、発足当初から目覚ましい成績を挙げてきました。現在では小学生だけでなく、中学、高校、一般とチームの層も厚くなり、ここで卓球を学んだ年長者たちが小学生に指導することも日常の一場面となっています。
多くの子が卓球未経験で入部してきますが、先輩たちの丁寧な指導で、見る間に実力をつけていくそうです。
「熱い戦いを魅せられる選手になろう!」というモットーには、何事にも真剣に取り組む、という教えも含まれています。競技だけでなく、普段の生活においても簡単に諦めたりせず、きっちり取り組むこと。その姿勢が、チームの強さにもつながるのです。休憩時間には監督もいっしょに楽しそうに笑い、練習再開とともにまたラリーの音が響く。メリハリある過ごし方も、強さの秘密なのでしょう。