縄跳びが床を叩く音。サンドバックにパンチが当たる重い響き。ひとりひとりの口から放たれる、シュッ、シュッ、という息遣い。ジムの中で絶え間なく聞こえてくるのはどれも、短くて鋭い音ばかり。選手たちは休むことなく動きつづけ、心身を磨いていきます。
2007年に桑原会長が開設したHKスポーツボクシングジムでは、U-15の大会において、これまで19人の全国優勝者を輩出してきました。そうした実績に加え、選手目線の指導も支持を集め、遠方から通ってくる子もいるそうです。
「大切なのはハート」と桑原会長。「巧くても心が弱いと負ける、下手でも心が強いと勝てる」。子どもたちも練習や試合を通じ、その言葉の意味を知っていきます。
競技としては個人スポーツですが、HKスポーツボクシングジムでは年齢を問わず、選手間での仲間意識を育むことも重視しています。プロとして活躍する選手も所属しており、子どもたちは練習の合間に先輩の動きを観察しては、自分でも同じ動きを真似ていました。
性格によって戦い方も違ってきますが、礼儀や挨拶、勇気、根性を大切に、子どもたちは自ら未来を拓いていきます。