「ダンッ!」と迫力ある受け身の音が響きわたる体育館を覗くと、そこには一心不乱に技を決める子どもたちの姿があります。「畳の上では何度失敗したっていい」。濱脇師範の教えどおり、物怖じせず相手に立ち向かう子どもたちの表情は、大人をも圧倒する迫力に満ちていました。
1994年設立の「粕屋柔道学舎」には16名の小学生が在籍しています。コロナ禍で中断していた試合も徐々に再開され、県の強化選手も輩出されるように。さらに、念願だった団体戦出場にも手が届くところまで、個人としてだけでなく、チームとしても成長を遂げています。大将の存在も心強く、下級生が安心して勝負に挑める団結力も、このチームの魅力。たくさんの経験が、まさに今、花開いているのです。
体が小さい選手でも、体型を武器にした戦い方ができるのが柔道の醍醐味。瞬発力を活かした斬れ味のある投げ技もチームの自慢です。今では一人ひとりが「一本取れる」得意技を身につけたことで、自信を持って戦いの舞台に立てているそう。笑いの絶えない柔道場も、畳の上にあがれば、みんなの意識は真剣そのもの。そのメリハリが、各々の得意技とともに、強さの秘訣になっているのでしょう。