大きな声で挨拶をしながら道場にやってきた子どもたちが最初に取り組むのは、鬼ごっこや肩車。練習開始まで楽しく遊ぶことが、総勢30名、年齢も体格もバラバラな子どもたちの心をひとつにします。
創設から40年超の歴史を誇る遠賀町青少年柔道クラブ。柔道とは競技であると同時に教育でもある。その理念を体現するように、練習開始とともに子どもたちの姿勢も顔つきも、すっと変わります。
「柔道は練習ですらひとりではできません。だから相手を尊重し、互いを高めあっていかなくてはいけないんです」
指導者の方が言うように、子どもたちは練習や試合を通じて各々の個性を称えあいながら、自分を磨いていきます。
OBたちが指導者として関わっていることからも、このクラブの絆の強さが感じられます。メンバーが家族のように身近な存在だからこそ、ただ勝つことだけを目的とするのではなく、人として成長していくためのチームワークが生まれるのです。
「いつかこのクラブから日本を代表する選手を輩出したい」というみんなの願いが叶う日も遠くないかもしれません。