今年で創部から35年を迎える、鞍手ジュニアバレーボールクラブ男子。全国大会に6回、九州大会には10回の出場経験がありますが、現在の部員はぜんぶで5名。公式試合への出場もままならない、苦しい時期にもかかわらず、子どもたちの熱意にはすこしも陰るところがありません。
「メンバーが少ないぶん、ボールに触れる機会は多くなりますし、どのポジションでも経験が積める。そのすべてが、いずれ実力となって開花します」
初期からチームを取り仕切る松永監督の言葉には、確信が込められています。監督を中心に入れ替わり立ち替わりラリーを続ける。目標である「みんなで繋ぐバレー」は、そんな濃密な時間の上に実現されるのです。
練習の始まりには大きな声で挨拶の言葉を繰り返します。普段から声に出していないと、いざというときに言葉に詰まってしまうから。それはバレーもいっしょ。今はできないことでも、一生懸命に取り組んでいればこそ、試合の最中に突然できるようになることも。「繋ぐバレー」とは、ボールだけではなく、今日の自分から明日の自分へ「繋ぐ」ことも意味しているのかもしれません。