おいしいお米を、空の上から見つめる目。
福岡県の南部、有明海に面した柳川は、東に矢部川、西に筑後川、そして中央に塩塚川、沖端川という4本の河川が流れる、全国的にも知られた水郷の里。
市内にはクリークがあちこちに張りめぐり、穏やかな風土のもとで、農業が盛んに営まれています。
そんな柳川の恵まれた自然環境ときれいな水に育まれているお米たち。中でも「ヒノヒカリ」は、程よい粘りと食味の良さが特徴で、冷めても粘ついたり、パサついたりしないと言われています。
そして、柳川で育てられる「ヒノヒカリ」のおいしさのもう一つの理由が、福岡県ではこの地域だけという、航空機を利用した「タンパク診断システム」にあります。
食味の良いお米を判別し、収穫・出荷することを目的としたこのシステム。4年前から取り組みが始められました。
「お米のおいしさは、含まれるタンパク質の量で決まる、と言います。そして、その量によって、稲穂の育ち具合も変わってくるのです(久保さん)」。
この稲穂の育成状況を、航空機を使って空の上から診断。
その結果に合わせて肥料を調整することで、食味の良い、低タンパクのお米が作られているのです。さらに、「稲穂の育ち具合を確認することで、田ごとに適した収穫時期も逃しません(中山さん)」という利点もあるとか。
豊かな水と土、そして気候が生んだ柳川の「ヒノヒカリ」。
そのおいしさは、科学の目というフィルターを通して、みなさんに届けられているのです。