自然との闘い
今回、松藤さんをお尋ねした日は雨が降り続く梅雨の時期です。今年は梅雨入りが例年より早く、雨量も多いため農産物の栽培が予定通りにいかず大変忙しくされていました。この地域で水の心配というと「水不足」ではなく「溢れる」ことだそうです。現在は強制排水によってその心配もほとんどないそうですが、昔は雨が続くとすぐに水に浸かってしまっていたそうです。
お米のほかにも麦や野菜の栽培も盛んでその麦がお米の栽培と密接に関係しています。麦の栽培によって生まれる大量の麦わらを田植え前の田んぼにすきこみます。これが田んぼの「地力」を高め、丈夫でおいしいお米が収穫できるそうです。今年は早い梅雨の長雨によりこれらの一連の作業が大幅にずれ込んでしまったそうです。
松藤さんが栽培するお米は「元気つくし」と「ひのひかり」平坦な台地が続くこの地域では一枚の田んぼも広く、栽培される水田の面積も広い。お米の収穫後の大量の稲わらも牛の餌にとして販売するそうです。
松藤さんの33歳と31歳になる息子さんお二人も農業に従事され米や麦、トマトや花などのハウスものと手分けをして栽培されています。 「後継者不足で頭を抱える地域が多い中、頼もしいですね」と話を向けると、「若いものが農業を継いでくれるのは有りがたいのですが、その年齢に見合った収入を確保しなくてはいけません、そのために収益の高い生産物・生産方法を考えなくていけません。決して安くはない農機具を購入し、栽培、収穫とうまく回っていけばよいですが、災害や病気、自然が相手ですから何があるかわかりません。安定性はないですからそれがやはり心配です。日々自然との闘いです。」と松藤さん
写真を撮り終え、早々とトラクターに乗り込んでいらっしゃいました。