果樹管理一覧

ホーム > 生産者のみなさまへ > 果樹管理一覧 > ハウスみかん

この情報は、JA全農ふくれんが発行する情報誌『福岡の果樹kaju』(年6回発行)の記事を抜粋して掲載しています。ご購読のお問い合わせ・申し込みは、JA全農ふくれん園芸部園芸総合課(092-762-4728)までお願いします。

ハウスみかん

11月・12月のハウスみかんの基本管理を掲載しています。

いよいよ加温スタートです。加温前後の管理を怠りなく行い、充実した花を咲かせましょう。

加温開始の決定

加温開始日は以下の判断材料を総合的に考慮して決定します。着花安定を最優先に考え、不安材料があれば加温を遅らせる決断が必要です。

せん定後日数の目安

目安は、10月下旬~11月加温で130~140日、12月加温で120~130日です。その他の条件として、夏芽型で夏芽緑化後90日以上、春芽型では収穫終了後90日以上経過していることが必要です。

樹の状態

樹の状態は、①葉色がややあせ脱色し結果母枝が充実、②根の伸長が停止、③夏芽発生後の日照量、土壌乾燥、低温遭遇時間が充分、などが良い条件です。

切り枝水挿し調査による花芽確認

着花状況は、3~4日間隔で結果母枝を10本程度採取し、水挿しして確認します。加温開始の目安は、結果母枝の50%以上で先端に着花が確認できるようになった時です。着花率が高くなりすぎると着花過多の恐れがでてきますので、こまめな調査で着花状況を確認する必要があります。

硝酸態窒素濃度による判断

芽挿し調査の補助的な調査と位置付け、1週間毎に実施します。11月中旬以降加温の硝酸態窒素濃度の目安は5ppm以下です。

加温基準

9月号28頁を参照のうえ、以下の点を再度確認、実施して下さい。
①暖房機の点検(ノズル交換)、②ダクトの配置及び変更(生育差の解消)、③換気扇の動作確認、④サーモスタットの位置確認、⑤サイドビニル、妻部の多層被覆、⑥天井、二重および三重カーテンビニルの被覆、⑦隙間(谷部、谷柱部、吸気口内側)の目張り

基肥施用

加温7日前頃に、年間施肥量の5割の基肥を施用します。

発芽・着花促進

加温3日前より加温前までに30mm以上のかん水を行います。加温後のハウス内を温度が高く湿度も高い「蒸し込み」状態にするためです。
また、加温直後の夕方にビーエー液剤を散布し、腋芽の休眠を打破して発芽を促進させます。剤は移行性がないため、発芽させたい枝にはムラなく散布して下さい。

加温

※第1図参照

加温開始温度

樹勢が良ければ昼温25℃、夜温20℃で加温をスタートします。なお、開始温度は樹勢や外気温を考慮して設定しましょう。樹勢が弱い、加温前の落葉が多い、冷え込みが厳しい、あるいは春芽型などでは昼夜温とも2℃程度下げてスタートしましょう。

発芽・発蕾までの温度管理

発芽を揃えるため、できるだけ早く昇温します。昇温は夜温を1日1℃、昼温を1日0.5~1℃で行います。夜温を20℃まで上げても葉焼け等の影響がなければ、昇温ペースを1日1℃~2℃に上げ、昼温28~30℃、夜温24℃まで昇温します。発芽日数の目安は加温7日後程度です。樹上部の母枝先端2~3芽より発蕾(ボールペンの先端くらい)を確認できたら直ちに降温を開始します。高温期間が長いと生育が急ぎすぎます。加温後10日目の温度が高すぎるとじょうのう数が少なく、浮皮果が多くなる可能性があります。

発芽から開花までの温度管理

発芽後の降温ペースは、発芽揃いが良ければ昼夜温とも夜温20℃までは1日2℃ずつ、20℃以降は1℃ずつ行います。発芽のバラツキが目立つ場合は昼25℃、夜温20℃まで1日0.5℃ずつ下げて他の発芽を待ちます。昼温22~23℃、夜温17℃まで降温したら、開花期までそのまま昼夜温を維持します。生育が急ぎそうな場合は昼温を下げて調整します。天候不良時は、反対に昼夜温を1~2℃上げ生育を促進させます。花の充実を図るため、加温から満開までの日数は35~40日が必要です。

水管理

定期的なかん水を行い、適度な湿度を保ちます。花の走りが見られた頃から、灰色カビ病対策のためかん水量を減らしますが、開花期に過乾燥にならないように注意します。

結実管理

着花量が多い場合

摘蕾を行うとともに、満開前に花肥を施用し花疲れを防ぎます。

着花量が少ない場合

花の充実を良くするため、開花までの期間を十分とるとともに、かぶさり枝の除去や芽かきを行い結実促進を図ります。

病害虫防除

青果率向上のため、ハダニの防除を加温前後に行いましょう。農薬は地域の防除基準を参考に選択し、農薬安全使用基準を遵守して使用して下さい。
※第1図につきましては、<福岡の果樹11月号>をご覧ください。