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この情報は、JA全農ふくれんが発行する情報誌『福岡の果樹kaju』(年6回発行)の記事を抜粋して掲載しています。ご購読のお問い合わせ・申し込みは、JA全農ふくれん園芸部園芸総合課(092-762-4728)までお願いします。

イチジク

11月・12月のイチジク(とよみつひめ)の管理作業について 《Kaju 福岡の果樹 No.565 》
11~12月の管理

加温ハウス栽培においては、せん定と加温準備、無加温ハウスおよび露地栽培においては、落葉処理の時期になります。「とよみつひめ」の果実品質は天候に加え、樹勢に大きく左右されます。適正な樹勢改善および維持に努めましょう。

加温ハウス栽培

樹勢診断とせん定、施肥

(一)結果枝基部径による樹勢診断

樹勢診断法として、結果枝基部径2~3節間の直径を測定する方法があり、せん定時の切り口の大きさで樹勢の強弱を判断できます。
切り口が500円玉より大きければ強く、1円玉より小さければ弱く、10円玉程度であれば適正な樹勢といえます。

(二)強樹勢樹のせん定、施肥

結果母枝の基部が太いほど翌年の結果枝は太くなりやすく、果実品質の改善を困難にしています。この悪循環を断ち切る方法として主枝更新があります。主枝を主幹から1mの長さで切り、主幹部近くと残った主枝先端部の結果枝を寝かせて主枝を作り替える方法で、太くなりすぎた結果母枝を一掃し、結果初年目の状態に戻すことができます。樹勢の適正化をより確実にするためには、施肥量を減らすか、無施用とします

(三)弱樹勢樹のせん定、施肥

樹勢低下の要因としては、干害、湿害、ネコブセンチュウ等による根の障害や減少の他、日焼けによる主枝の枯れ込み等があります。また、露地栽培では、凍霜害、黒葉枯病も主枝枯れ込みの要因となります。                                                                                        根にネコブセンチュウによるコブが多数見られる場合は、ネマトリンエース粒剤(20㎏/10a、樹冠下処理、収穫60日前まで、使用回数1回)処理後すぐに十分なかん水を行います。またはパストリア水和剤(1~5㎏/10a、土壌表面に散布、生育期、300L/10a)をかん注処理します。さらに、畝上にバークたい肥を施用すると、発根が促進され、樹勢が回復します施肥については基準量を施用しましょう。                                                                          主枝に枯れ込みが見られる場合は、主幹部近くの強い結果枝を用いた主枝更新が有効です。短い結果枝は、切り返しせん定を行わず、そのまま放置すると、頂芽優勢により頂芽から強い新梢が発生し、樹勢を回復できます。

 加温準備

露地の収穫開始前に収穫を終えるには、12月中旬に被覆を行い、12月下旬に加温を開始する必要があります。
保温性を高めるため、ビニルは多層被覆とし、ビニル被覆直後は3t/10a程度の十分なかん水を行います。
催芽までは毎日2~3t/10aの樹上散水を行い、ハウス内を過湿に保ち、展葉後は地表かん水に切り替えます。

無加温ハウスおよび露地栽培

落葉処理

イチジクの主要病害の一つであるさび病は、落葉上で越冬した冬胞子が一次伝染源になります。
そのため、被害落葉は集めて焼却するか、土中に埋めて越冬菌の密度を下げることが重要な防除法となります。

11月・12月のイチジク(蓬莱柿)の管理作業について 《Kaju 福岡の果樹 No.565》

11月は、収穫終盤になります。今年度については、収穫開始が早く大玉傾向で収穫量も例年並であったと思われます。
数量が少なくなり価格が安定してきましたので最後までしっかり収穫しましょう。
また、落葉までの間は来年の生産に向けた養分蓄積の時期でもあるので、適切な管理を行いましょう。

 園内観察

1、収穫が終了し落葉期を迎えた園では、未収穫残果及び枝数・枝伸びの確認をしましょう。

2、永久樹と間伐樹の確認をしましょう。

3、防鳥ネット等を設置している園では積雪前に設備確認をしましょう。

以上3点を確認し、来年度の生産準備を行いましょう。                                                                                            

 間伐・縮伐

密植園では、作業性も悪く病害虫の発生、果実品質の低下を招きますので、この時期に間伐・縮伐を行って下さい。また、せん定作業は年明け以降に行って下さい(樹への負担が少ないため)。隣り合う樹については、永久樹を優先的に配置出来るように間伐・縮伐を行いましょう。

 かん水

落葉するまでの間は、極端な乾燥を避けるため、かん水が必要となります。1回のかん水量は少量で行って下さい。                                                                    

残果・落葉管理

未収穫のまま結果枝に残った果実については、灰色かび病の発生源となりますので、速やかに園外に持ち出して下さい。                                              
また、収穫時に枝に残した果梗(成り口)も、そのまま残しておくと発病要因となるため、園外に持ち出して下さい。                                                  
落葉についても病害虫の越冬源となりますので、速やかに園外へ持ち出して下さい。                                                                   
特に疫病等の発生が多い園については徹底して下さい。                                                                                

土壌管理

イチジクは根が浅く、地温の低下と伴に伸長を停止します。また、通気性・水はけの良い土壌を好むので高品質な果実の生産には、土づくりが重要となります。

①土壌分析を行いましょう。土の養分状態を把握して施肥を行って下さい(極端な過不足がある場合があるので注意)。
②土壌㏗6.5程度となるよう苦土石灰を施用します(基肥施用前に2週間以上間隔をあける)。
③たい肥の施用を年内に行います(10aあたり完熟牛ふんたい肥1~2t)。この時、1樹に対し八か所程度、位置をずらして数年で1周するよう投入します。ばらまくのではなく、    局部投入をすると発根効果が大きくなります。
④排水溝の確認を行って下さい。排水溝に土が溜まり水はけが悪くなっている場合があります。この土を掘り出して樹幹下に置くと排水対策と客土(土入れ)を同時に行う事が出来ます。特に、水の落とし口とその周辺については念入りに掘り上げて下さい。客土を行うことで発根が促進されます。

施設整備

この時期に、園内施設の整備を行いましょう。
①棚線の緩み等は、しっかり張り直しをしましょう。
②かん水整備等は、積雪前に水抜きをして、凍結等事故防止に努めて下さい。
③防風ネット、防鳥ネット等は、積雪に注意しましょう。