小松菜(ハウス雨よけ栽培)
4.5.6月の小松菜(ハウス雨よけ栽培)の栽培方法を掲載しています。《Vege 福岡の野菜 157》
小松菜は、1年中栽培が可能で栄養価の高い野菜として、近年生産が伸びてきています。
高温期の栽培では葉色も薄くなり一株重も軽くなります。は種後の発芽や生育にムラが発生しやすく、害虫の被害もでやすくするため、生産にあたっては、は種から収穫までに綿密な栽培管理が必要となります。
ほ場準備
小松菜は、1作当りの栽培期間が短く耕うんの頻度が高いため、他品目に比べ土作りにが重要になってきます。土作りを行うために、堆肥を年間10a当たり2t以上を数回に分けて投入します。
また、土壌のpHは6.5程度に矯正し、窒素成分を10a当たり10kg程度施用します。ただし、連作により肥料分や塩類の集積が見られるほ場では、定期的に土壌分析を行い、減肥します。堆肥の投入が少なく油かす等のカリ成分の少ない施肥管理ではカリ欠が懸念されるため、単肥で補うことが必要になります。
は 種
春~冬まき栽培の各作型に応じたは種量や品種の選定を行う必要があります。夏の作型では、は種から生育初期にかけて土壌表面が乾きやすく発芽むらが発生しやすいため、遮光資材を使用します。生育日数は25~30日程度で収穫になります。収穫適期も3~4日程度しかないため、出荷労力を考慮した作付け計画を立てることが重要です。
また、管理においては株間を狭くしても一株重が軽く、軟弱になってしまいます。そのため、は種量を増やしても収量にさほど変わりはありません。過度の密植は病気の発生などの原因となりますので注意する必要があります。条間は14~15cm、株間は5~6cmを確保します。
かん水
高温時には、かん水むらによる発芽および生育むらが発生しやすくなります。かん水資材の目詰まりを確認し、作付け前に手入れを行います。発芽するまでは、乾燥しないように十分かん水を行います。生育中期は天候や土壌の状態を確認しながらかん水を行います。生育後期はかん水を行うと品質の低下に繋がるため、かん水は控えます。
ほ場管理
過度な高温は品質の低下に繋がるため、温度管理が重要です。生育期間中はハウスサイドと妻面からの換気を十分に行います。
害虫防除
春先から被害の多い害虫としては、キスジノミハムシ、ハモグリバエ、ヨトウムシ類等があげられます。薬剤防除も必要ですが、防虫ネット(1mm目合)や紫外線カットフィルムの使用、ハウス内やハウス周辺の管理に努める等、耕種的防除を組み合わせることも有効です。