夏秋なす
7.8.9月の夏秋なすの栽培について《Vege 福岡の野菜 No.158》
夏秋作でなすを栽培する場合は雨よけ栽培と露地栽培があります。雨よけ栽培では乾燥するため害虫防除と高温対策、露地栽培では梅雨や秋雨時期の病害対策がポイントとなります。
樹勢維持
高品質・高収量のなす栽培を目指すには、常に生長と着果のバランスをみながら樹勢を維持する必要があります。そのためには一芽採りを励行し、こまめな摘葉と芽の整理を行いましょう。
一芽採りのやり方
1 ①の芽を残し、②の芽を除去します。
2 単花処理後、花の上の葉一枚を残し、③のところで摘心します。
3 収穫時に④の位置から切り戻します。
梅雨時期の曇天により、側枝の花(蕾)が落ちて、極端に徒長する場合も切り戻します。
また、3・4番主枝の伸びが悪い株は、摘花して伸長を促します。
摘葉
外葉や黄化葉、ふところが混み合った部分の葉、芽にかぶる葉や枝は早めに除去します。葉がかぶると光が当たらず、下の芽が弱くなり、芽や花が流れやすくなります。外葉は風通しなどに心がけ、下葉から徐々に摘葉を行います。
摘葉は、一度に多く行うと株への負担が大きいので、一株当たり2~3枚ずつとします。
かん水と追肥
極端なやり過ぎを控え、同じ状態を保ちます。
水管理
ほ場(うね溝)に水が停滞すると樹勢が低下し、病害発生を助長するため、必ず排水対策を行いましょう。
地表面が乾かないように注意し、乾燥が続く場合はうね溝にかん水します。うね溝を湿らせることで、アザミウマ類等の害虫の発生抑制にもつながります。
追肥
梅雨明け後より行います。窒素成分で3~4kgを3週間おきに施用します。
病害虫防除
高温乾燥条件下ではアザミウマ類、ハダニ類が増加します。早期発見・早期防除を心がけましょう。
また、夏場の樹勢低下時には、うどんこ病の発生に留意し、初期防除とともに樹勢回復対策を行いましょう。