にがうり
4.5.6月のにがうりの栽培について《Vege 福岡の野菜 No.121》
はじめに
近年の傾向としては、8月中旬以降の単価は不安定であることが多く、作型は前進化させたほうが所得は安定すると思います。前進化には当然ながら (1)ハウス無加温栽培 (2)トンネル栽培が必要です。
品種
「うりおとめ」はF1品種で、草勢が強く、早生、多雌花性で収量が多い品種です。果色は照りのある濃緑色で、果実の先端部分がやや白みを帯びます。収穫最盛期には果実が長くなる事が多いようです。果肉が厚くて歯切れがよく、苦みがマイルドで爽やかな食味品種です。
定植準備
まずは、排水の良いほ場を選択下さい。土壌改良材は一般的には苦土石灰を10aに100kg程度施用しますが、基本的に土壌分析結果に従って施用して下さい。又、土壌改良材は定植前30日前に施用して下さい。定植15日前に基肥を施用します。施用量は10a当たり窒素成分で20kg程度とします。(速効性肥料と緩行性肥料の割合を5対5程度が良いと思います。)耕運破土を行って畝を立てます。畝間を6m程度とり、両端に120cm程度の小畝を立ててマルチを張り、地温を上げておくと良いでしょう。又、誘引ネットも事前に張っておいて下さい。ネットはキュウリネットを使用すると便利です。
定植
栽植密度は、畝間6m・株間1.5m~2m・二条植とします。(10aに160本~220本)定植後の活着はその後の生育に大きな影響を与えますので、ベストの土壌水分で定植し、活着までは絶対に萎えさせないことが大切です。活着後は、果実の成り初めまで灌水を控えます。
整枝・誘引
定植後はすぐに誘引をせずに一定の側枝を確保するため、放任しておいて下さい。側枝が確保できたら、その中で勢いのある良い親蔓と子蔓を3~4本選抜し等間隔になるように誘引して下さい。生育初期の整枝は雄花(交配用)は取らないように注意して下さい。側面の整枝は光線が良く当たるように混み合った蔓や垂れ下がった蔓を早めに摘除、間引きして下さい。
かん水・乾燥防止
高温期は定期的なかん水と畝上に敷きワラをして乾燥を防いで下さい。
追肥
第一回の追肥は収穫を始めた頃から行いますが、1回当たりの施肥量は10a当たり窒素成分で2~3kg施用します。草勢を見た施肥管理を行って下さい。
病害虫防除
病害は、べと病・炭疽病・うどんこ病。害虫はウリノメイガ・ハスモンヨトウ・アブラムシ等の発生に注意が必要です。
収穫
時期により異なりますが、着果後概ね15日程度で収穫となります。