キャベツ
1.2.3月からのキャベツの栽培について掲載しています。《Vege 福岡の野菜 No.148》
にんじんは根菜類のため比較的手がかからず、取り組みやすい作物です。この項では、夏まき冬どりの加工用にんじん栽培について説明します。
ほ場の選定
キャベツは排水が良いほ場が適しています。排水の良いほ場が確保できない場合には、溝掘機等を用い、額縁明渠によって排水性を確保します。事前にサブソイラやプラソイラなどによって耕盤破砕を行い、透水性や通気性を向上させるとさらに良いです。
作型・品種について
福岡県内での一般的なキャベツの作型には夏まき秋冬どり、秋から冬まき春どりの作型があります。
また、品種については、春系と寒玉系と二種類に大別されます。
春系キャベツは、葉が柔らかく、葉の巻きが緩く、サラダ用途などの生食に適しています。
寒玉系は、葉が硬く厚く、葉がしっかりと巻き、ロールキャベツなどの煮込み料理や炒め物に向いています。そのため、品種の選定については、耐寒性の有無や、需要先のニーズなども考慮する必要があります。
播種から育苗
播種は128穴のセルトレイで行います。播種から育苗時期が1年の間で一番寒い時期にあたるので、ハウス内での育苗が基本となります。発芽可能温度が4~8℃なので、それ以下になる場合には、更に小トンネルを設置します。
定植に適した苗は本葉五枚程度までです。大きな苗にしてしまうと、低温に感応し、定植後に結球せず抽苔しやすくなります。
また、定植前には小トンネルを除いたり、ハウスのすそを上げたりして、外気の温度に段々に馴らし、順化を行います。
定植
定植前に堆肥や石灰等で十分に土作り行った上で基肥(10a当たり窒素15kg程度)の施肥を行います。
畝幅は135cm程度で、株間は35~40cm、条間は50cm以上で二条植えです。また、排水性向上のため、出来るだけ高畝にします。
追肥
1回目の追肥は、定植後2週間から3週間頃までに条間に10a当たり窒素5kg程度行います。
2回目の追肥は、結球し始めのころに同じく10a当たり窒素5kg程度行います。
病害虫防除
春先は気温が上昇するとともに、病害虫の活動が活発になってきます。2月の中旬頃から、アオムシなどのチョウ目害虫やアブラムシ類が発生してきますので早めの防除に努めます。
特に定植前後に浸透移行性のある薬剤を灌注処理することで防除効果と併せて防除作業の省力化が図れます。
また、春先に降雨が多い年は、菌核病や軟腐病、株腐病などの腐敗性の病害が多くなります。そのため、結球開始直前に薬剤による予防防除を行います。
収穫
玉が肥大し、手で押して硬く締まっているようであれば収穫適期です。収穫が遅れると裂球することがあるので、取り遅れに注意します。