青ねぎ
4.5.6月からの青ねぎの栽培について掲載しています。《Vege 福岡の野菜 No.157》
春季の栽培に向けて
この時期は徐々に気温が上昇し、生育は旺盛となり軟弱徒長傾向気味となります。
特に、曇天後の晴天は気温が上昇している事もあり『倒伏』『葉先枯れ』等の発生が起き易くなり、病害虫の発生も目立ってきます。
今後の栽培を行う中で次の点に注意しながら管理を行いましょう。
土壌管理
ハウス内で周年栽培されていますので、この時期は土壌中の塩類が集積しており、土壌の状態を把握しておく事が重要です。
土壌中の塩類バランスが崩れると、『発芽不良』『生育ムラ』『葉先枯れ』等の生育障害を起こし収量・品質を損なう要因となります。
土壌診断で土壌の状態を把握し、適正な肥料の施用に努めます。
通常、土壌診断としてpH・EC値である程度の状態を知る事は出来ますが、年に一度はCEC・塩基飽和度・硝酸態窒素・腐植等を測定すれば、作物の生育改善・施肥コスト低減が期待出来ます。
施肥基準に於いてはJA・普及センター等に相談されると良いでしょう。
病害虫防除
春先より、『さび病』『疫病』等の病害と『ハモグリバエ』『スリップス類』等の害虫が発生します。
そして、連作による土壌病害への対策も必要です。
病害の発生が著しいと品質並びに収量の低下を招く為、ハウス内の換気と定期的な予防散布を行い、発生の抑制に努めます。
害虫は、発生時期が年々早まっていますので、発生状況を把握しながら適期防除を定め、ハウス内の発生密度を抑えることが重要です。
主に薬剤防除が主流となりますが(病害はストロビルリン系・害虫はピレスロイド系・ネオニコチノイド系)、UVフィルム・防虫ネット・土壌表土の熱処理等をおこなう事が防除に於ける抑制効果・省力化につながります。
品種・水管理
春~夏にかけては年々、気温が上昇傾向であり、ハウス内に於いても50~60℃になる事も有ります。
播種後は、十分なかん水を行う事で発芽揃いを整え、生育の状況によってかん水の量を加減します。
収穫を迎える頃は、高温乾燥にならない様に地表面が若干乾いている状態に保てる管理が必要です。
梅雨時期は、曇天の日が続き軟弱徒長気味になる為、やや抑え気味のかん水を行います。
品種に於いては、『FDH』『冬彦』等が夏用の品種として使用されていますが、各種苗会社から様々な品種を販売されています。
それぞれ品種特性が有りますので、ほ場の土壌水分の状況と普段の管理状況を考慮し、選択をすると良いでしょう。