春菊(中葉)
10. 11. 12月の春菊(中葉)の栽培について掲載しています。《Vege 福岡の野菜 No.135》
はじめに
博多で春菊といえば「博多中葉」です。福岡市とその近郊で栽培されてきた在来種でやや大葉に近い中葉です。分枝しにくい節間伸長タイプで抜き取り栽培専用です。
また、茎が柔らかく、アクやクセが少なく、サラダ等の生食にも向いています。品種は数種類あり、葉の大きさや切れ込み具合、伸長性や耐暑性が異なり「博多改良中葉4号」、「たつなみ」、「三坂」などがあり、は種時期等で使い分けて周年栽培されています。
栽培環境
春菊は元々冷涼な気候を好みますが、高温にも強く、温度適応性は高いです。また、高品質生産のためには、通常パイプハウスを活用した栽培が行われています。
土壌適応性も広いのですが、乾燥には弱いため、腐植に富む保水力の高い砂質土壌が適しています。
土づくり
春菊は腐植に富む保水性の高い土壌を好むので、土づくりを十分に行います。年数回に分けて切りワラや完熟堆肥等の繊維分の多い有機物を施します。稲ワラが大量に入手できない場合は、牛ふん等を半年以上堆積発酵させ、十分に腐熟したものを施用します。特に秋から冬にかけてのこの時期に土づくりを十分に行いましょう。
は種後管理
は種は手押し式は種機等で行います。は種後は均一に霧状にかん水します。発芽まではかん水を十分に行います。本葉6枚目頃からはやや控えめにします。
また、この時期は温度が低くなりますので夜間は生育促進のため、サイドを下ろします。日中は天気の良い日などは換気を行います。