にんじん
7.8.9月のにんじんの栽培について《Vege 福岡の野菜 No.134》
にんじんは根菜類のため比較的手がかからず、取り組みやすい作物です。この項では、夏まき冬どりの加工用にんじん栽培について説明します。
土づくり~は種前まで
土づくりとしては、土が硬い場合は堆肥などを施用し、良く耕うんしておきます。ただし、完熟していない有機物の多量施用は岐根(又根)等が発生しますので注意します。また、過湿に弱いため、高畝にするなど排水対策を行っておきます。
施肥については、にんじんは弱酸性土壌を好むため、施肥の際に石灰質資材などでpH6.0前後になるように矯正をします。
は種
は種から発芽までが、1番大事なポイントです。畝は、畝幅150~160cm、条間20~25cmの4条蒔きとします。4条は、特に均等に配列する必要はなく、内側2条はやや外側の条に寄せておくと間引き作業が楽になります。
種子は、裸種子のほかに、発芽率の向上や間引きの手間を省くためのシーダテープやコーティング種子もあります。は種は手押し式は種機などで行います。発芽後は、隣の株と競争して生長するため、すじ蒔きまたは2粒以上の点蒔きとした方がよく生育します。
また、あまり深蒔きとならないようにします。発芽の最大の敵は、乾燥ですので、は種後に乾燥が続く場合は、かん水を行います。また、大雨後に晴天が続く場合は地表面が固まり、発芽不良の原因となるので注意します。
は種は8月下旬から遅くとも9月20日までに行います。は種時期が遅れ、9月終わりには種した場合、寒くなる前に生育できず、1本重が軽くなり、全体的に色が淡くなり商品価値が低くなります。
雑草対策として、は種後と本葉3~5葉期に除草剤を処理します。
間引き、追肥・中耕でのポイント
すじ蒔きの場合は、本葉2~3葉期及び4~5葉期の2回に分けて、間引きを行います。間引きは、本葉が広がり気味の株、極端に生育の早い株や遅い株、害虫などの害を受けている株などを中心に除いていきます。1回目は株間2~3cm程度に、2回目は8~10cm程度にします。間引きが遅れると、肥大が遅くなりますので遅れないようにします。
追肥は、四条植の中央部分や畝溝に施用します。その後、管理機などで中耕・土寄せを行います。肩の部分が地上部に出ると、その部分が青く変色し品質が悪くなるため、肩が出ないようします。
収穫
収穫時の泥は乾燥すると洗浄時に落ちにくくなるため、乾く前に洗浄します。